動物・環境ニュース
2016/06/02
保護区で再捕獲 83歳の最高齢のブランディングガメ
保護区で再捕獲 83歳の最高齢のブランディングガメ
最低83歳と思われるメスのブランディングガメがミシガン大学森林保護区内で捕獲されました。この個体はブランディングガメの中では記録上最高齢であり、淡水に生息するカメでも最高齢であると調査員らは述べています。
このカメは5月23日に、ピクニーの近く、リビングストンの南西にあるアナーバーの北東から25マイル(約4225m)のところにあるミシガン大学のEdwin S. George森林保護区で捕獲されました。3R11Lと登録されているこの個体は、保護区における長期に渡るカメの研究が始まって1年後の1954年に初めて捕獲されナンバリングされました。それから彼女は50回以上捕獲されてきました。
ブランディングガメは20歳頃になると性成熟します。1970年代半ばにE.S.George森林保護区に生息するカメの研究を始めた調査員Justin Congdon氏によると、1954年に捕獲された時3R11Lは性成熟していたので、少なくとも83歳と考えられるそうです。
「彼女を捕獲したとき、みんな大変興奮し、たくさんハイタッチして、ワインで祝杯をあげました。」と1975年から2007年にかけてE.S.George森林保護区に生息する営巣期のカメの研究を行っていたジョージア大学の名誉教授でもあるCongdon氏は述べます。彼は、大学を退職し、5月に保護区に戻ってきました。
「私たちは、1950年代にマーキングされたカメが15匹未満しか残っていないことを知っています。そのうちの1匹でも捕獲できるチャンスがまだあると思っていましたが、再捕獲することは私達のゴールの1つでもありました。」と彼は述べました。
彼女が見つかる以前のブランディングガメの最高齢記録は、ミネソタ州で見つかった76歳の個体のものでした。ハコガメやモリイシガメ、ウミガメなどのほかの種は、長生きだと考えられていました。
「これは、生物科学における数世代の調査の重要性を示したほんの一例です。」とミシガン大学文学部、科学部、美術学部の学部長であるAndrew Martin氏は述べました。
「何十年にもわたってこの調査を行っていなければ、このカメがこんなに長生きだとは思わなかったでしょうし、環境変化への反応の仕方も分からなかったでしょう。」と、E.S.George森林保護区の理事で、ミシガン大学の生物学者であるChristopher Dick氏は述べました。
Congdon氏は、3R11Lを観察している際に、彼女の中に卵があるのではないかと思ったそうです。E.S.George森林保護区での何十年にもわたる調査で、Congdon氏は捕獲したこの最高齢のブランディングガメが、ほかの若い個体よりも多く卵を産み、孵化をさせていることを発見しました。
「爬虫類は基本的に何かが原因で死ぬまで卵を産み続けます。なので、この個体が妊娠していたとしても、大した驚きにはならなかったのです。とは言っても、この個体は記録されている他のヘビやカメよりもかなり年をとっています。」とCongdon氏は述べました。
さらに、1930年からE.S.George森林保護区の1297エーカー(約525万km²)でブランディングガメやニシキガメ、カミツキガメの調査が行われました。そこにはマークをつけられたニシキガメ約1500匹、ブランディングガメ約250匹、カミツキガメ約250匹が生息しているとCongdon氏は言います。
E.S.George森林保護区のブランディングガメの個体数は安定していますが、このカメのほかの行動域では同じようにはいきません。ブランディングガメはミシガン州の法のもと、特別措置がとられている種です。約1年前、合衆国魚類野生生物局は、絶滅の危機に瀕する種の保存に関する法律が許可するかを決定するために、5種の両生・爬虫類の状態を調査しました。ブランディングガメはこのうちの1種であり、調査は今も続いています。
保護区では、ブランディングガメにとって歴史的に重要な営巣地を発展させるための返還計画を開始しているとDick氏は述べました。ブランディングガメは、日の当たる開けた砂地を営巣地として好みます。
しかし、何年かにわたって、アキグミいう外来種の低木が保護区内の営巣地に侵入しはびこってきました。昨年中、返還する営巣地からアキグミは取り除かれたとDick氏は述べます
(写真: Roy Nagle)
このカメは5月23日に、ピクニーの近く、リビングストンの南西にあるアナーバーの北東から25マイル(約4225m)のところにあるミシガン大学のEdwin S. George森林保護区で捕獲されました。3R11Lと登録されているこの個体は、保護区における長期に渡るカメの研究が始まって1年後の1954年に初めて捕獲されナンバリングされました。それから彼女は50回以上捕獲されてきました。
ブランディングガメは20歳頃になると性成熟します。1970年代半ばにE.S.George森林保護区に生息するカメの研究を始めた調査員Justin Congdon氏によると、1954年に捕獲された時3R11Lは性成熟していたので、少なくとも83歳と考えられるそうです。
「彼女を捕獲したとき、みんな大変興奮し、たくさんハイタッチして、ワインで祝杯をあげました。」と1975年から2007年にかけてE.S.George森林保護区に生息する営巣期のカメの研究を行っていたジョージア大学の名誉教授でもあるCongdon氏は述べます。彼は、大学を退職し、5月に保護区に戻ってきました。
「私たちは、1950年代にマーキングされたカメが15匹未満しか残っていないことを知っています。そのうちの1匹でも捕獲できるチャンスがまだあると思っていましたが、再捕獲することは私達のゴールの1つでもありました。」と彼は述べました。
彼女が見つかる以前のブランディングガメの最高齢記録は、ミネソタ州で見つかった76歳の個体のものでした。ハコガメやモリイシガメ、ウミガメなどのほかの種は、長生きだと考えられていました。
「これは、生物科学における数世代の調査の重要性を示したほんの一例です。」とミシガン大学文学部、科学部、美術学部の学部長であるAndrew Martin氏は述べました。
「何十年にもわたってこの調査を行っていなければ、このカメがこんなに長生きだとは思わなかったでしょうし、環境変化への反応の仕方も分からなかったでしょう。」と、E.S.George森林保護区の理事で、ミシガン大学の生物学者であるChristopher Dick氏は述べました。
Congdon氏は、3R11Lを観察している際に、彼女の中に卵があるのではないかと思ったそうです。E.S.George森林保護区での何十年にもわたる調査で、Congdon氏は捕獲したこの最高齢のブランディングガメが、ほかの若い個体よりも多く卵を産み、孵化をさせていることを発見しました。
「爬虫類は基本的に何かが原因で死ぬまで卵を産み続けます。なので、この個体が妊娠していたとしても、大した驚きにはならなかったのです。とは言っても、この個体は記録されている他のヘビやカメよりもかなり年をとっています。」とCongdon氏は述べました。
さらに、1930年からE.S.George森林保護区の1297エーカー(約525万km²)でブランディングガメやニシキガメ、カミツキガメの調査が行われました。そこにはマークをつけられたニシキガメ約1500匹、ブランディングガメ約250匹、カミツキガメ約250匹が生息しているとCongdon氏は言います。
E.S.George森林保護区のブランディングガメの個体数は安定していますが、このカメのほかの行動域では同じようにはいきません。ブランディングガメはミシガン州の法のもと、特別措置がとられている種です。約1年前、合衆国魚類野生生物局は、絶滅の危機に瀕する種の保存に関する法律が許可するかを決定するために、5種の両生・爬虫類の状態を調査しました。ブランディングガメはこのうちの1種であり、調査は今も続いています。
保護区では、ブランディングガメにとって歴史的に重要な営巣地を発展させるための返還計画を開始しているとDick氏は述べました。ブランディングガメは、日の当たる開けた砂地を営巣地として好みます。
しかし、何年かにわたって、アキグミいう外来種の低木が保護区内の営巣地に侵入しはびこってきました。昨年中、返還する営巣地からアキグミは取り除かれたとDick氏は述べます
(写真: Roy Nagle)

2016/06/02
多数のリンクス再導入の必要性 遺伝子の枯渇を防ぐために
多数のリンクス再導入の必要性 遺伝子の枯渇を防ぐために
リンクスを野生に再導入する時のポイントは、多くの個体数をリリースすることです。数頭の個体しか再導入しなかった場合、遺伝子多様性が低すぎて長期的持続可能性が保証されません。国際的な調査チームによるこの発見は、先日科学雑誌Conservation Geneticsに掲載されました。ほかの保全策同様、リンクスの更なる発展のためにも新たなリンクスの個体数を定着させる必要があることを調査員らは強調しています。
ドイツのライプニッツ動物園・野生動物研究所(IZW)やバイエルンの森国立公園(ドイツ)、ポーランド科学アカデミー、ロシア科学アカデミーの科学者らはボヘミア-バイエルン森と中央ヨーロッパにあるボージュ-パレスチナ森の2つのリンクス個体群の遺伝状態を調査しました。
ヨーロッパオオヤマネコ(Lynx lynx)は、ヨーロッパに生息するネコ科動物の中で最も大きな種で、1992年からEU内で保護されてきました。以前はヨーロッパ全土に生息していましたが、今は主に国立公園のような保護区にしか生息していません。EU諸国はヨーロッパオオヤマネコの保護のため、また、以前の行動域内で適切な生息地に再導入しようとして相当な努力をしました。再導入個体には、いくつかの明確な課題があります。「これらの再導入個体は、個体数が非常に少ないため、ほとんどの場合自立していくには難しい状況にあることを私たちの研究は示しています。各個体は個体群の遺伝子プールの比率を高くするため、個体数が少ないと、遺伝的多様性が非常に影響を受けやすくなってしまいます。」とIZWの遺伝学者Daniel Forster氏は述べます。
ボヘミア-バイエルン森では、1970年代に導入された個体5〜10頭から始まり、後に補充として18頭を導入しました。ボージュ-パレスチナ森では、1983年から1993年の間に、リリースされた21頭から開始されました。すでに個体数が限定されていたため、一部の個体しか子どもを産むことができませんでした。「遺伝的なことに焦点を当てると、最初に導入された個体が少なすぎると遺伝子多様性は低くなってしまいます。」とこの研究の共著者であり、IZWの遺伝学者であるJorns Fickel氏は述べます。これら2つの個体群の遺伝状態に再導入が与えた影響を調べるために、科学者らはリンクスの元々野生で生息していた東ヨーロッパの個体群と2つの個体群の遺伝子多様性を比較しました。そのために、リンクスの糞や血液、神経などに含まれるDNAに分子マーカーをつけてこの実験を行いました。
今回の研究で、対象にした2つの個体群は他のヨーロッパオオヤマネコの個体群より遺伝的多様性が非常に低く、元々いる野生個体群よりも新たに再導入された個体群のほうが遺伝子多様性は非常に低くなっていることが分かりました。スロヴェニアとクロアチアで行われた過去のリンクス再導入の研究ではすでに、再導入個体が少ないと遺伝子多様性が低くなることが示されていました。最近の研究では、これらの発見が裏付けられているため、さらに具体的な概論を示すことができます。長期的にみると少数個体群は生存するのが難しいです。この研究によって最近、IUCNのレッドリストでボヘミア-バイエルン森の個体群は「絶滅危惧IB類」に、ボージュ-パレスチナ森の個体群は「絶滅危惧IA類」に指定されました。ゆえに、これらの「遺伝子強化」と保全のための適切な策が執り行われる必要があります。
特に少数の個体群で重要なことは、自然の中であれ、密猟によるものであれ、繁殖する前に死なせないということです。「したがって、長期的にみて生存可能な個体を確保し維持してくために、リンクスの違法な密猟を減らすことが非常に重要です。」とForster氏は主張しました。彼と研究仲間は、個体群の遺伝子多様性を強めるためにもっとリンクスを再導入することを推奨しています。野生動物用の回廊を作るというような間接的な保全策は、隣接する個体群間の遺伝子交換をしやすくすることができるため、全体的なリンクスの個体群の強化にもつながるでしょう。
(写真:Katarina Jewgenow/IZW)
ドイツのライプニッツ動物園・野生動物研究所(IZW)やバイエルンの森国立公園(ドイツ)、ポーランド科学アカデミー、ロシア科学アカデミーの科学者らはボヘミア-バイエルン森と中央ヨーロッパにあるボージュ-パレスチナ森の2つのリンクス個体群の遺伝状態を調査しました。
ヨーロッパオオヤマネコ(Lynx lynx)は、ヨーロッパに生息するネコ科動物の中で最も大きな種で、1992年からEU内で保護されてきました。以前はヨーロッパ全土に生息していましたが、今は主に国立公園のような保護区にしか生息していません。EU諸国はヨーロッパオオヤマネコの保護のため、また、以前の行動域内で適切な生息地に再導入しようとして相当な努力をしました。再導入個体には、いくつかの明確な課題があります。「これらの再導入個体は、個体数が非常に少ないため、ほとんどの場合自立していくには難しい状況にあることを私たちの研究は示しています。各個体は個体群の遺伝子プールの比率を高くするため、個体数が少ないと、遺伝的多様性が非常に影響を受けやすくなってしまいます。」とIZWの遺伝学者Daniel Forster氏は述べます。
ボヘミア-バイエルン森では、1970年代に導入された個体5〜10頭から始まり、後に補充として18頭を導入しました。ボージュ-パレスチナ森では、1983年から1993年の間に、リリースされた21頭から開始されました。すでに個体数が限定されていたため、一部の個体しか子どもを産むことができませんでした。「遺伝的なことに焦点を当てると、最初に導入された個体が少なすぎると遺伝子多様性は低くなってしまいます。」とこの研究の共著者であり、IZWの遺伝学者であるJorns Fickel氏は述べます。これら2つの個体群の遺伝状態に再導入が与えた影響を調べるために、科学者らはリンクスの元々野生で生息していた東ヨーロッパの個体群と2つの個体群の遺伝子多様性を比較しました。そのために、リンクスの糞や血液、神経などに含まれるDNAに分子マーカーをつけてこの実験を行いました。
今回の研究で、対象にした2つの個体群は他のヨーロッパオオヤマネコの個体群より遺伝的多様性が非常に低く、元々いる野生個体群よりも新たに再導入された個体群のほうが遺伝子多様性は非常に低くなっていることが分かりました。スロヴェニアとクロアチアで行われた過去のリンクス再導入の研究ではすでに、再導入個体が少ないと遺伝子多様性が低くなることが示されていました。最近の研究では、これらの発見が裏付けられているため、さらに具体的な概論を示すことができます。長期的にみると少数個体群は生存するのが難しいです。この研究によって最近、IUCNのレッドリストでボヘミア-バイエルン森の個体群は「絶滅危惧IB類」に、ボージュ-パレスチナ森の個体群は「絶滅危惧IA類」に指定されました。ゆえに、これらの「遺伝子強化」と保全のための適切な策が執り行われる必要があります。
特に少数の個体群で重要なことは、自然の中であれ、密猟によるものであれ、繁殖する前に死なせないということです。「したがって、長期的にみて生存可能な個体を確保し維持してくために、リンクスの違法な密猟を減らすことが非常に重要です。」とForster氏は主張しました。彼と研究仲間は、個体群の遺伝子多様性を強めるためにもっとリンクスを再導入することを推奨しています。野生動物用の回廊を作るというような間接的な保全策は、隣接する個体群間の遺伝子交換をしやすくすることができるため、全体的なリンクスの個体群の強化にもつながるでしょう。
(写真:Katarina Jewgenow/IZW)

2016/05/23
ベーリング海のクラカケアザラシ謎の病気発症
ベーリング海のクラカケアザラシ謎の病気発症
北極アラスカに生息するワモンアザラシの毛が抜け落ち、出血して悪化するという、不可解で致命的でもある病気が確認されてから5年が経ち、氷の上で生活する他の種のアザラシにもこれと同じような兆候が見られていることが分かりました。
ベーリング海の氷上に生活するアザラシの調査を終えたばかりの連邦政府の科学者らは、何頭かのクラカケアザラシに禿げた部分があり、そのうちの1頭は全身がほぼ禿げあがっていることを発見しました。
アメリカ海洋大気庁(NOAA)の調査員らは、海氷の縁に沿って発見された10頭のクラカケアザラシからサンプリングをし、彼らにタグをつけましたが、そのうちの成獣全7頭と亜成獣に、2011年から2012年にかけてワモンアザラシに見られた兆候を見つけました。「全身が禿げかけていた個体を除き、5頭に部分的な禿げが見られ、ちがう1頭は毛が全身にありましたが、胴体と尾に出血部位と膿疱がありました。」と、調査の主任研究員であり、NOAAのアラスカ水産科学センターにある海洋哺乳類研究所の生物学者のMicheal Cameron氏が述べました。
また彼は、以下のように述べました。「全身が禿げあがっているアザラシを除いて、他の個体は全て健康そうに見えました。この個体は、科学者らがすぐ隣にきても動こうとせずそこにいました。しかし、その後、捕獲して測定や他の調査をすると、この個体は水の中に戻り、泳ぎ回っていました。」
北部のアラスカに生息するアザラシの状況は、2011年に多数が病気か死んだ状態で見つかり最も深刻化し、これらの個体には禿げた箇所と出血部位が見られました。この時被害を受けていた個体の多くはワモンアザラシでしたが、他の種も被害を受けていました。これらの中にはゴマフアザラシやアゴヒゲアザラシも見られたそうです。「そこには、謎の病気にかかったクラカケアザラシが少なくとも1頭はいました。」と海洋哺乳類研究所の北極生態系プログラムの所長であるPeter Boveng氏は述べました。
NOAAに特別科学調査の許可をだした海洋哺乳類保護法のもと、これを「異常な死亡事件」と公表しました。この事件と関連した事件がアメリカ合衆国魚類野生生物局のセイウチ部門から公表されましたが、セイウチにも胴体に出血部位が見られたそうです。アザラシの病気についての調査と死亡の報告は今も続いていますが、セイウチの調査は昨年終了しました。「2014年から、他の健康なアザラシにも禿げが見られたという報告が何件かありました。」と、NOAAのアラスカ水産科学センターのスポークスマンであるMaggie Mooney-Seus氏は述べました。
2011年に発症した病気の原因はまだ分かっていません。放射能中毒や有害な青粉、バクテリアの感染などが調査中に見られたため、これらのどれかが問題の原因かもしれません。「決定的な診断がいまだ出ていないのです。」Boveng氏は述べました。
以前の事件の影響がまだ続いているのか、それともまた違うものなのか、新たに病気が発症しているクラカケアザラシに科学者らは先月出くわしました。
Boveng氏は以下のように述べました。「2006年以前はこの病気は存在しておらず、2006年から2010年に行われた調査ではクラカケアザラシの禿げもなかったことを、調査員らは確証しています。2014年からこれらが見られるようになったのです。」
クラカケアザラシ(英名:Ribbon seal)の名前は、その白と黒のリボンのような模様の毛から由来しており、この模様は4歳になるまで現れません。クラカケアザラシの幼獣は、真っ白な色をしています。
さらに彼らには見分けやすい特徴があります。肋骨の上に空気袋があるのです。NOAAによると、アザラシで空気袋をもつのはクラカケアザラシだけだそうです。
夏と秋にはアザラシが生活を送る氷がなくなり、他の生息地へのかく乱がおこることにより、2007年に生態学者らは、絶滅の危機に瀕する種の保存に関する法律のもとでクラカケアザラシを保護する許可をNOAAに求めました。その結果はダメでした。NOAAは2013年に、リストに載せられるような十分な証拠がないと最終決定をしました。
クラカケアザラシの個体群にいくつかの病気が見られても、しばらくの間は気付かれないでしょう。
NOAAによると、ワモンアザラシやアゴヒゲアザラシ、ゴマフアザラシは地元の先住民に狩猟されているため厳重なモニタリングがされていますが、クラカケアザラシはあまり狩猟がされていません。これは、地元の猟師がクラカケアザラシに遭遇する機会が少なく、狩猟して何か問題があっても報告がされないからです。
Cameron氏は以下のように述べました。「パッチ状の禿げは明瞭ではありません。発症している動物を近くに見に行かないと、遠くからでは判断することは難しいでしょう。」
「クラカケアザラシは過去の事件から生き残りましたが、病状が長引いており深刻な状態にまではいってない可能性もあります。」とNOAAの科学者らは述べました。
またBoveng氏は以下のように述べました。
「4月に4週間行ったアザラシの分析では、氷の上で生活の4種すべてのアザラシを対象としました。科学者らは、アザラシを大きな網ですくい上げ、体重や大きさなどの測定、血液の採取や生体検査を行い、追跡装置をつけて野生に帰しました。これらの調査は2006年から始まりましたが、何年かは行っていませんでした。
調査するアザラシの中では、クラカケアザラシは他のアザラシよりも浮氷塊の上に長居するという特異な行動をもっていたため、調査しやすい種類でした。実のところ、クラカケアザラシが一番捕獲しやすい種でした。」
この約1年近いアザラシの調査は、ベーリング海峡の両側における海洋哺乳類の大規模な複数機関による計画的な集計と調査のうちの1つです。
氷の中にいるアザラシやホッキョクグマを探査するための赤外線と温度検出器を用いた航空測量が現在行われています。ロシア国立漁業調査計画機関の科学者らがこの調査に協力しています。
写真:Liz Labunski / U.S. Fish and Wildlife Service
ベーリング海の氷上に生活するアザラシの調査を終えたばかりの連邦政府の科学者らは、何頭かのクラカケアザラシに禿げた部分があり、そのうちの1頭は全身がほぼ禿げあがっていることを発見しました。
アメリカ海洋大気庁(NOAA)の調査員らは、海氷の縁に沿って発見された10頭のクラカケアザラシからサンプリングをし、彼らにタグをつけましたが、そのうちの成獣全7頭と亜成獣に、2011年から2012年にかけてワモンアザラシに見られた兆候を見つけました。「全身が禿げかけていた個体を除き、5頭に部分的な禿げが見られ、ちがう1頭は毛が全身にありましたが、胴体と尾に出血部位と膿疱がありました。」と、調査の主任研究員であり、NOAAのアラスカ水産科学センターにある海洋哺乳類研究所の生物学者のMicheal Cameron氏が述べました。
また彼は、以下のように述べました。「全身が禿げあがっているアザラシを除いて、他の個体は全て健康そうに見えました。この個体は、科学者らがすぐ隣にきても動こうとせずそこにいました。しかし、その後、捕獲して測定や他の調査をすると、この個体は水の中に戻り、泳ぎ回っていました。」
北部のアラスカに生息するアザラシの状況は、2011年に多数が病気か死んだ状態で見つかり最も深刻化し、これらの個体には禿げた箇所と出血部位が見られました。この時被害を受けていた個体の多くはワモンアザラシでしたが、他の種も被害を受けていました。これらの中にはゴマフアザラシやアゴヒゲアザラシも見られたそうです。「そこには、謎の病気にかかったクラカケアザラシが少なくとも1頭はいました。」と海洋哺乳類研究所の北極生態系プログラムの所長であるPeter Boveng氏は述べました。
NOAAに特別科学調査の許可をだした海洋哺乳類保護法のもと、これを「異常な死亡事件」と公表しました。この事件と関連した事件がアメリカ合衆国魚類野生生物局のセイウチ部門から公表されましたが、セイウチにも胴体に出血部位が見られたそうです。アザラシの病気についての調査と死亡の報告は今も続いていますが、セイウチの調査は昨年終了しました。「2014年から、他の健康なアザラシにも禿げが見られたという報告が何件かありました。」と、NOAAのアラスカ水産科学センターのスポークスマンであるMaggie Mooney-Seus氏は述べました。
2011年に発症した病気の原因はまだ分かっていません。放射能中毒や有害な青粉、バクテリアの感染などが調査中に見られたため、これらのどれかが問題の原因かもしれません。「決定的な診断がいまだ出ていないのです。」Boveng氏は述べました。
以前の事件の影響がまだ続いているのか、それともまた違うものなのか、新たに病気が発症しているクラカケアザラシに科学者らは先月出くわしました。
Boveng氏は以下のように述べました。「2006年以前はこの病気は存在しておらず、2006年から2010年に行われた調査ではクラカケアザラシの禿げもなかったことを、調査員らは確証しています。2014年からこれらが見られるようになったのです。」
クラカケアザラシ(英名:Ribbon seal)の名前は、その白と黒のリボンのような模様の毛から由来しており、この模様は4歳になるまで現れません。クラカケアザラシの幼獣は、真っ白な色をしています。
さらに彼らには見分けやすい特徴があります。肋骨の上に空気袋があるのです。NOAAによると、アザラシで空気袋をもつのはクラカケアザラシだけだそうです。
夏と秋にはアザラシが生活を送る氷がなくなり、他の生息地へのかく乱がおこることにより、2007年に生態学者らは、絶滅の危機に瀕する種の保存に関する法律のもとでクラカケアザラシを保護する許可をNOAAに求めました。その結果はダメでした。NOAAは2013年に、リストに載せられるような十分な証拠がないと最終決定をしました。
クラカケアザラシの個体群にいくつかの病気が見られても、しばらくの間は気付かれないでしょう。
NOAAによると、ワモンアザラシやアゴヒゲアザラシ、ゴマフアザラシは地元の先住民に狩猟されているため厳重なモニタリングがされていますが、クラカケアザラシはあまり狩猟がされていません。これは、地元の猟師がクラカケアザラシに遭遇する機会が少なく、狩猟して何か問題があっても報告がされないからです。
Cameron氏は以下のように述べました。「パッチ状の禿げは明瞭ではありません。発症している動物を近くに見に行かないと、遠くからでは判断することは難しいでしょう。」
「クラカケアザラシは過去の事件から生き残りましたが、病状が長引いており深刻な状態にまではいってない可能性もあります。」とNOAAの科学者らは述べました。
またBoveng氏は以下のように述べました。
「4月に4週間行ったアザラシの分析では、氷の上で生活の4種すべてのアザラシを対象としました。科学者らは、アザラシを大きな網ですくい上げ、体重や大きさなどの測定、血液の採取や生体検査を行い、追跡装置をつけて野生に帰しました。これらの調査は2006年から始まりましたが、何年かは行っていませんでした。
調査するアザラシの中では、クラカケアザラシは他のアザラシよりも浮氷塊の上に長居するという特異な行動をもっていたため、調査しやすい種類でした。実のところ、クラカケアザラシが一番捕獲しやすい種でした。」
この約1年近いアザラシの調査は、ベーリング海峡の両側における海洋哺乳類の大規模な複数機関による計画的な集計と調査のうちの1つです。
氷の中にいるアザラシやホッキョクグマを探査するための赤外線と温度検出器を用いた航空測量が現在行われています。ロシア国立漁業調査計画機関の科学者らがこの調査に協力しています。
写真:Liz Labunski / U.S. Fish and Wildlife Service

2016/05/23
サンゴ礁の死滅により捕食者を学習しなくなる魚
サンゴ礁の死滅により捕食者を学習しなくなる魚
サンゴ礁の白色化や死滅は、サンゴ礁に生息する魚類が捕食者を学習し逃げる方法に劇的な影響を与えている可能性があると世界初の研究で発見されました。この新発見は、Proceedings of the Royal Society Bという雑誌に掲載されました。
サンゴ礁は、何十万もの海洋生物にとっての住処となっており、豊かな生態系を築いています。かつて綺麗だったサンゴ礁は今では藻に覆われ白色化したものが散乱しており、世界や地域でサンゴに多くの影響が出ています。このような生息地の変化は、そこに生息する生物の生活も変えてしまいます。
今回紹介した雑誌に掲載された最近の研究で、サンゴ礁の死滅と白色化は、スズメダイが捕食者の存在を知らせために発する化学物質への反応に影響を与えることが分かりました。
「稚魚は新たな捕食者を区別するために攻撃されると皮下組織から化学物質を放ち、警告を発します。敵の臭いまたは存在を発見し傷付いた仲間が出す警告の組み合わせで、どの生物が危険で将来的に回避しなければならない相手かを学びます。」とジェームズ・クック大学でサンゴ礁に生息する魚類について研究しているMark McCormick教授は述べます。
しかし、サンゴが死滅し藻に覆われて嗅覚環境が変わってしまうと、この魚の学習メカニズムにも大きな影響が出てきます。
実際に、生きたサンゴ礁では新たな捕食者がくると傷付いたアンボンスズメダイはパートナーに敵の存在を臭いで知らせる一方、死んだサンゴ礁では敵に対して反応または学習しないことを、オーストラリアとスウェーデンの研究チームは発見しました。
興味深いことに、死んだサンゴ礁にしか見られない他の種は、そのサンゴ礁の生死に関係なく、化学物質で警告して新たな捕食者を区別することができます。
「サンゴの白色化や死滅により何種類かの魚類が捕食者を分類したり回避したりできなくなっているのであれば、サンゴ礁に生息する多様な魚類も激減していくでしょう。サンゴ礁に生息する魚類の多くは、健康なサンゴ礁にしか生息することができません。」とウプサラ大学の海洋生物学の研究者Oona Lonnstedt博士は述べます。
グレートバリアリーフはここ最近、歴史上最悪の白色化がすすんでおり、サンゴ礁が激減していると2人の研究者らは述べます。
「サンゴの死滅が新たな捕食者の学習のために発せられる化学物質を妨げているとしたら、サンゴ礁の補給は非常に危ぶまれるでしょう。」とOona博士は述べます。
写真:Mark McCormick
サンゴ礁は、何十万もの海洋生物にとっての住処となっており、豊かな生態系を築いています。かつて綺麗だったサンゴ礁は今では藻に覆われ白色化したものが散乱しており、世界や地域でサンゴに多くの影響が出ています。このような生息地の変化は、そこに生息する生物の生活も変えてしまいます。
今回紹介した雑誌に掲載された最近の研究で、サンゴ礁の死滅と白色化は、スズメダイが捕食者の存在を知らせために発する化学物質への反応に影響を与えることが分かりました。
「稚魚は新たな捕食者を区別するために攻撃されると皮下組織から化学物質を放ち、警告を発します。敵の臭いまたは存在を発見し傷付いた仲間が出す警告の組み合わせで、どの生物が危険で将来的に回避しなければならない相手かを学びます。」とジェームズ・クック大学でサンゴ礁に生息する魚類について研究しているMark McCormick教授は述べます。
しかし、サンゴが死滅し藻に覆われて嗅覚環境が変わってしまうと、この魚の学習メカニズムにも大きな影響が出てきます。
実際に、生きたサンゴ礁では新たな捕食者がくると傷付いたアンボンスズメダイはパートナーに敵の存在を臭いで知らせる一方、死んだサンゴ礁では敵に対して反応または学習しないことを、オーストラリアとスウェーデンの研究チームは発見しました。
興味深いことに、死んだサンゴ礁にしか見られない他の種は、そのサンゴ礁の生死に関係なく、化学物質で警告して新たな捕食者を区別することができます。
「サンゴの白色化や死滅により何種類かの魚類が捕食者を分類したり回避したりできなくなっているのであれば、サンゴ礁に生息する多様な魚類も激減していくでしょう。サンゴ礁に生息する魚類の多くは、健康なサンゴ礁にしか生息することができません。」とウプサラ大学の海洋生物学の研究者Oona Lonnstedt博士は述べます。
グレートバリアリーフはここ最近、歴史上最悪の白色化がすすんでおり、サンゴ礁が激減していると2人の研究者らは述べます。
「サンゴの死滅が新たな捕食者の学習のために発せられる化学物質を妨げているとしたら、サンゴ礁の補給は非常に危ぶまれるでしょう。」とOona博士は述べます。
写真:Mark McCormick

2016/05/13
高性能ドローン コウモリの飛行法で開発可能か
高性能ドローン コウモリの飛行法で開発可能か
ウサギコウモリは耳と胴体をうまく使って飛んでいることが、スウェーデンのルンド大学の研究者らの研究により分かりました。この発見により、コウモリの飛行方法に関する研究者たちの理解が深まり、改良型ドローンなどの開発において重要な役割を果たすことが期待されています。
研究者たちが以前考えていた仮説に反して、ルンド大学のChristoffer Johansson Westheim氏と研究仲間たちは、ウサギコウモリが大きな耳をうまく使って飛んでいることを明らかにしました。
「ウサギコウモリの胴体より後ろの空気は、下方向に加速して流れていることが分かりましたが、これは胴体と耳が揚力をもたらしていることを意味します。これはウサギコウモリとこれまで研究されてきた他の種の飛行方法の違いになりますが、ウサギコウモリの大きな耳は強い抵抗力を生み出すことはなく、空中にとどまらせる役割があるという事になります。」とChristoffer氏は述べます。
今回の発見は、コウモリの飛行方法について以前よりも深い理解を必要としました。また彼らは、音波を送ってそのエコーを受信することで物の場所を把握するという「エコロケーティング」と、出来る限り効率良く飛ぶことの進化的な対立についても焦点を当てました。
この実験では、コウモリが食べものを取り付けた棒に、濃い煙の中でも到達できるかという風洞実験を行いました。研究者らは煙越しからレーザービームを当てて、光る煙の粒子の写真を撮影しました。そして、コウモリの翼の羽ばたきによって起こる力を測るために、煙がどうやって動いているかを調べました。
このほかに実験中に得られた発見やこれまで議論されてこなかった調査は、コウモリがゆっくり飛ぶときの前方移動の仕方についてです。前方移動は、翼が高い位置にあり、羽ばたきが終わって翼が体から離れたときに起こります。
「この特殊な起動力の方法は、将来的に、飛行生物にインスパイアされたドローンの新たな空力制御を導くことができるかもしれません。」とChristoffer氏は述べます。
写真:Anders Hedenstrom/Lund University
研究者たちが以前考えていた仮説に反して、ルンド大学のChristoffer Johansson Westheim氏と研究仲間たちは、ウサギコウモリが大きな耳をうまく使って飛んでいることを明らかにしました。
「ウサギコウモリの胴体より後ろの空気は、下方向に加速して流れていることが分かりましたが、これは胴体と耳が揚力をもたらしていることを意味します。これはウサギコウモリとこれまで研究されてきた他の種の飛行方法の違いになりますが、ウサギコウモリの大きな耳は強い抵抗力を生み出すことはなく、空中にとどまらせる役割があるという事になります。」とChristoffer氏は述べます。
今回の発見は、コウモリの飛行方法について以前よりも深い理解を必要としました。また彼らは、音波を送ってそのエコーを受信することで物の場所を把握するという「エコロケーティング」と、出来る限り効率良く飛ぶことの進化的な対立についても焦点を当てました。
この実験では、コウモリが食べものを取り付けた棒に、濃い煙の中でも到達できるかという風洞実験を行いました。研究者らは煙越しからレーザービームを当てて、光る煙の粒子の写真を撮影しました。そして、コウモリの翼の羽ばたきによって起こる力を測るために、煙がどうやって動いているかを調べました。
このほかに実験中に得られた発見やこれまで議論されてこなかった調査は、コウモリがゆっくり飛ぶときの前方移動の仕方についてです。前方移動は、翼が高い位置にあり、羽ばたきが終わって翼が体から離れたときに起こります。
「この特殊な起動力の方法は、将来的に、飛行生物にインスパイアされたドローンの新たな空力制御を導くことができるかもしれません。」とChristoffer氏は述べます。
写真:Anders Hedenstrom/Lund University

2016/05/02
カラスはチンパンジーと同じくらい頭がいい〜抑制制御の観点から
カラスはチンパンジーと同じくらい頭がいい〜抑制制御の観点から
スウェーデンのルンド大学の研究者らの研究により、チンパンジーに比べ非常に小さな脳であるにも関わらず、カラスはチンパンジーと同等に頭がいいことが示唆されました。これは、カラスの脳神経密度や脳の構造が知能の面において重要な役割を果たしていることを示しています。
「脳の全体の大きさで物語は完結しません。私たちは、類人猿よりも脳が小さいカラスが彼らと同じ行動をとることを発見しました。」と、認知科学において博士課程の学生であるCan Kabadayiさんは述べます。
知能を調べる実験は難しいですが、抑制制御という行動は賢さを見出してくれるもので、何かしたい衝動を抑え理性的にふるまうような能力を発揮させます。アメリカのデューク大学の研究者らは、2014年、主に霊長類や類人猿を対象に36種の動物において抑制制御行動の比較実験を大規模に行いました。研究チームは両端が開いている透き通ったチューブの中にエサを置くというシリンダー試験をしました。動物たちには両端から直接触って食べものを取ってもらうようにしました。成功するためには、制限された中で食べものを得るために最も有効な戦略を選ばないといけません。
この実験では類人猿が最も良い反応を見せ、脳のサイズが知能の鍵となってみえました。しかし、この時カラスには実験を行っていなかったのです。Can氏と一緒にきたイギリスのオックスフォード大学やドイツにあるマックスプランク進化人類学研究所の研究者らは、ワタリカラス、ニシコクマルガラス、ニューカレドニアカラスが、同じシリンダー試験を行うと彼らの抑制制御についての認知を越えて良い反応を示すことを知りました。
Can氏のチームは、まず両端が開いている不透明のチューブに食べものを入れてカラスに実験をしました。そして、同じようにして透明のチューブで試験を繰り返しました。動物は自然と食べものを見るとチューブに向かってまっすぐ進んでしまいますが、全種のカラスが全ての実験において、端からチューブの中に入ろうとしたのです。ワタリカラスとニシコクマルカラスはゴリラやチンパンジーと100%に近い行動をとりました。
「このことは、カラスの脳は小さい物の非常に有能であることを示しています。この研究により、脳のサイズではなく、神経密度といったような他の要因が、知能という分野において重要な役割を果たしていることが示唆されました。私たちは、鳥の脳もしかり、もっと知能と脳のサイズの関係を理解し、学ぶ必要があります。ですが、今回の研究は、鳥の脳は単なる鳥の脳ではないことを明確にしてくれたのです。」とCan氏は述べました。
「脳の全体の大きさで物語は完結しません。私たちは、類人猿よりも脳が小さいカラスが彼らと同じ行動をとることを発見しました。」と、認知科学において博士課程の学生であるCan Kabadayiさんは述べます。
知能を調べる実験は難しいですが、抑制制御という行動は賢さを見出してくれるもので、何かしたい衝動を抑え理性的にふるまうような能力を発揮させます。アメリカのデューク大学の研究者らは、2014年、主に霊長類や類人猿を対象に36種の動物において抑制制御行動の比較実験を大規模に行いました。研究チームは両端が開いている透き通ったチューブの中にエサを置くというシリンダー試験をしました。動物たちには両端から直接触って食べものを取ってもらうようにしました。成功するためには、制限された中で食べものを得るために最も有効な戦略を選ばないといけません。
この実験では類人猿が最も良い反応を見せ、脳のサイズが知能の鍵となってみえました。しかし、この時カラスには実験を行っていなかったのです。Can氏と一緒にきたイギリスのオックスフォード大学やドイツにあるマックスプランク進化人類学研究所の研究者らは、ワタリカラス、ニシコクマルガラス、ニューカレドニアカラスが、同じシリンダー試験を行うと彼らの抑制制御についての認知を越えて良い反応を示すことを知りました。
Can氏のチームは、まず両端が開いている不透明のチューブに食べものを入れてカラスに実験をしました。そして、同じようにして透明のチューブで試験を繰り返しました。動物は自然と食べものを見るとチューブに向かってまっすぐ進んでしまいますが、全種のカラスが全ての実験において、端からチューブの中に入ろうとしたのです。ワタリカラスとニシコクマルカラスはゴリラやチンパンジーと100%に近い行動をとりました。
「このことは、カラスの脳は小さい物の非常に有能であることを示しています。この研究により、脳のサイズではなく、神経密度といったような他の要因が、知能という分野において重要な役割を果たしていることが示唆されました。私たちは、鳥の脳もしかり、もっと知能と脳のサイズの関係を理解し、学ぶ必要があります。ですが、今回の研究は、鳥の脳は単なる鳥の脳ではないことを明確にしてくれたのです。」とCan氏は述べました。

2016/05/02
象牙とサイの角の撲滅決定にAWFが助力(ケニア)
象牙とサイの角の撲滅決定にAWFが助力(ケニア)
アフリカ野生動物保護財団(AWF)が支援しているケニア政府は、国内外の違法野生動物取引に関する意識を高めるため、4月30日に105トンの象牙と1トンのサイの角を焼却処分しました。
象牙やサイの角製品の需要により、アフリカのいたるところでゾウやサイの密猟が急増しています。毎年2万頭以上のゾウが象牙目的で密猟者に殺されており、同時にサイの密猟も2007年から2015年の間に徐々に増えています。
「ものすごい割合でアフリカのゾウとサイがいなくなっています。この歴史的な事件は、世界的な違法野生動物取引に対する関心を引き、ケニアでは国際的な会議が執り行われました。適切な政治的関与と法執行機関のサポートのおかげで、野生動物犯罪に対し断固とした処置を行うことが可能になりました。」とAWFの代表Kaddu Kiwe Sebunya氏は述べています。
ケニアにおける密猟や野生動物違法取引を阻止するため、以下の活動も含め、AWFはケニア政府と密接に活動をしています。
・訓練された探知犬とハンドラーがケニア野生動物公社の探知犬部隊で展開されています。1月から導入された探知犬たちは、主には象牙ですが、センザンコウのうろこや生きたカメ、動物の皮など18個押収しました。
・AWFは検察官や裁判官、警察、司法や法的執行機関に所属する人に対するセミナーを、野生動物犯罪の起訴強化や抑止判決を増加させるために行ってきました。ケニアでは、50人の裁判官と35人の検察官が、AWFが主催する司法セミナーに参加しています。
・ケニアの絶滅危惧種であるヒガシクロサイの2つの個体群の個体数維持について従事しています。また、ナミビアに生息する砂漠環境に適応したクロサイの保護や、ジンバブエと南アフリカに生息する2つのシロサイ個体群の個体数維持に従事しています。
象牙やサイの角製品の需要により、アフリカのいたるところでゾウやサイの密猟が急増しています。毎年2万頭以上のゾウが象牙目的で密猟者に殺されており、同時にサイの密猟も2007年から2015年の間に徐々に増えています。
「ものすごい割合でアフリカのゾウとサイがいなくなっています。この歴史的な事件は、世界的な違法野生動物取引に対する関心を引き、ケニアでは国際的な会議が執り行われました。適切な政治的関与と法執行機関のサポートのおかげで、野生動物犯罪に対し断固とした処置を行うことが可能になりました。」とAWFの代表Kaddu Kiwe Sebunya氏は述べています。
ケニアにおける密猟や野生動物違法取引を阻止するため、以下の活動も含め、AWFはケニア政府と密接に活動をしています。
・訓練された探知犬とハンドラーがケニア野生動物公社の探知犬部隊で展開されています。1月から導入された探知犬たちは、主には象牙ですが、センザンコウのうろこや生きたカメ、動物の皮など18個押収しました。
・AWFは検察官や裁判官、警察、司法や法的執行機関に所属する人に対するセミナーを、野生動物犯罪の起訴強化や抑止判決を増加させるために行ってきました。ケニアでは、50人の裁判官と35人の検察官が、AWFが主催する司法セミナーに参加しています。
・ケニアの絶滅危惧種であるヒガシクロサイの2つの個体群の個体数維持について従事しています。また、ナミビアに生息する砂漠環境に適応したクロサイの保護や、ジンバブエと南アフリカに生息する2つのシロサイ個体群の個体数維持に従事しています。

2016/05/02
サーカスにいたゾウ「Rhea」姉妹との再会
サーカスにいたゾウ「Rhea」姉妹との再会
アグラ(インド北部):
野生動物保護NGOのWildlife SOSによってサーカスからレスキューされたゾウRheaが、50年以上サーカスで一緒だったMiaとSitaという名のゾウに、マトゥラにあるゾウ保護センターで再会することができました。
Mia、Sita、Rheaの3頭は50年以上サーカスで一緒に芸を行っており、洗脳訓練や服従訓練の一環としてひどい扱いをされ、厳しい訓練を受けていました。2015年11月、Wildlife SOSはMiaとSitaをこの痛ましい生活から救いだせましたが、Rheaは手続きに必要な支配人の書類作成が間に合わなかったため、取り残され、2頭と一緒に救い出すことができませんでした。
Wildlife SOSの共同創立者Geeta Seshamani氏は以下のように述べました。
「ゾウはとても頭がよく、感情があり、性質的に他の個体と強いつながりをもちます。MiaとSita、Rheaは血のつながりはありませんが、他のすべての面において、彼女たちは家族同然です。そのため、3頭のうち1頭だけを取り残すことは彼女たちにとって苦痛なことに違いないので、私達は出来るだけ早くRheaを2頭のもとに返す必要がありました。」
根気強い活動の数か月後、書類作成が完了し、タミル・ナードゥからマトゥラへの約2800kmを5日間かけて移動して、Rheaはゾウ保護センターでSiaとMiaに再会することができました。この活動に尽力したWildlife SOSによってサーカスから救出されたゾウは、Rheaで11頭目となります。ゾウ搬送隊として出動したWildlife SOSのスタッフとレスキューチームは、ゾウ保護センターへRheaを輸送し、3頭の再会を息をひそめて見守っていました。
この45〜53歳のメスゾウたちは、お互いに会えなかったことを大変寂しく思っていたようで、手が届くところに近づくまでキーキーやゴロゴロと声を出して挨拶をしだしました。そしてようやく一緒になれたことで、あたかもお互いを励まし合うかのように、もう大丈夫と鼻を絡めあい、元気づけるように互いにパタパタとたたき合いました。この瞬間に、彼女たちは痛みのない安全な場所にたどりついたのです。
Wildlife SOSの共同創立者Kartick Satyanarayan氏は以下のように述べました。
「ゾウの自然な行動を目の当たりにして、互いに歓迎しあう声を聞けたのは、素晴らしいことです。歓喜の声の中、鼻で抱擁しあっている彼女らを見て、その再会に力を貸せた事を誇りに感じました。この優しい巨大なゾウたちが家族に戻れたことに圧倒されたのでした。」
Photo courtesy: Wildlife SOS
野生動物保護NGOのWildlife SOSによってサーカスからレスキューされたゾウRheaが、50年以上サーカスで一緒だったMiaとSitaという名のゾウに、マトゥラにあるゾウ保護センターで再会することができました。
Mia、Sita、Rheaの3頭は50年以上サーカスで一緒に芸を行っており、洗脳訓練や服従訓練の一環としてひどい扱いをされ、厳しい訓練を受けていました。2015年11月、Wildlife SOSはMiaとSitaをこの痛ましい生活から救いだせましたが、Rheaは手続きに必要な支配人の書類作成が間に合わなかったため、取り残され、2頭と一緒に救い出すことができませんでした。
Wildlife SOSの共同創立者Geeta Seshamani氏は以下のように述べました。
「ゾウはとても頭がよく、感情があり、性質的に他の個体と強いつながりをもちます。MiaとSita、Rheaは血のつながりはありませんが、他のすべての面において、彼女たちは家族同然です。そのため、3頭のうち1頭だけを取り残すことは彼女たちにとって苦痛なことに違いないので、私達は出来るだけ早くRheaを2頭のもとに返す必要がありました。」
根気強い活動の数か月後、書類作成が完了し、タミル・ナードゥからマトゥラへの約2800kmを5日間かけて移動して、Rheaはゾウ保護センターでSiaとMiaに再会することができました。この活動に尽力したWildlife SOSによってサーカスから救出されたゾウは、Rheaで11頭目となります。ゾウ搬送隊として出動したWildlife SOSのスタッフとレスキューチームは、ゾウ保護センターへRheaを輸送し、3頭の再会を息をひそめて見守っていました。
この45〜53歳のメスゾウたちは、お互いに会えなかったことを大変寂しく思っていたようで、手が届くところに近づくまでキーキーやゴロゴロと声を出して挨拶をしだしました。そしてようやく一緒になれたことで、あたかもお互いを励まし合うかのように、もう大丈夫と鼻を絡めあい、元気づけるように互いにパタパタとたたき合いました。この瞬間に、彼女たちは痛みのない安全な場所にたどりついたのです。
Wildlife SOSの共同創立者Kartick Satyanarayan氏は以下のように述べました。
「ゾウの自然な行動を目の当たりにして、互いに歓迎しあう声を聞けたのは、素晴らしいことです。歓喜の声の中、鼻で抱擁しあっている彼女らを見て、その再会に力を貸せた事を誇りに感じました。この優しい巨大なゾウたちが家族に戻れたことに圧倒されたのでした。」
Photo courtesy: Wildlife SOS

2016/04/20
ズートピア公開後フェネックギツネが売買される(中国)
ズートピア公開後フェネックギツネが売買される(中国)
アメリカで上映されているズートピア(別題「ズートロポリス」)は、動物がしゃべることのできる世界の話です。この中で、メインキャラクターであるずる賢い詐欺師のアカギツネの仲間として、「フィニック」というフェネックギツネが登場します。サハラ砂漠に生息するフェネックは、可愛らしく、夜行性で、とても大きな耳をもっています。
公に売買が禁止されているにも関わらず、中国では商人の間でアカギツネの代替品としてフェネックを3000$(約32万6000円)で買うことができるようになっていると、ロサンゼルスタイムズ誌は報じています。中国でズートピアが3月に公開された後にこの売買が急増しました。
「普段は動物園へフェネックを売っているのですが、ズートピアの上映後何件も問合せがありました。最近チャンスー省のとある家族がフェネックを購入していきましたが、その他にも3家族から購入の要望がありました。」と、リヤオヤン省にある野生動物の輸出入を行う会社の従業員は述べています。
しかし、他のフェネック購入者によると、フェネックがペットに適さないとわかり、すでに転売しようとしているそうです。フェネックは社交性がないうえ、飼いならしにくく、夜中の騒音がひどいのです。
フェネックは絶滅危惧種ではありませんが、中国での輸入が増加すれば世界的な個体数の減少が起こってしまいかねないと、専門家は考えています。
Photograph: Disney
公に売買が禁止されているにも関わらず、中国では商人の間でアカギツネの代替品としてフェネックを3000$(約32万6000円)で買うことができるようになっていると、ロサンゼルスタイムズ誌は報じています。中国でズートピアが3月に公開された後にこの売買が急増しました。
「普段は動物園へフェネックを売っているのですが、ズートピアの上映後何件も問合せがありました。最近チャンスー省のとある家族がフェネックを購入していきましたが、その他にも3家族から購入の要望がありました。」と、リヤオヤン省にある野生動物の輸出入を行う会社の従業員は述べています。
しかし、他のフェネック購入者によると、フェネックがペットに適さないとわかり、すでに転売しようとしているそうです。フェネックは社交性がないうえ、飼いならしにくく、夜中の騒音がひどいのです。
フェネックは絶滅危惧種ではありませんが、中国での輸入が増加すれば世界的な個体数の減少が起こってしまいかねないと、専門家は考えています。
Photograph: Disney

2016/04/19
人間優位の生態系でも重要な役割を果たす最上位捕食者
人間優位の生態系でも重要な役割を果たす最上位捕食者
ヒグマやオオカミといった最上位捕食者と呼ばれる大型肉食獣は、人間優位の生態系でも野生動物の個体数調整という面で重要な役割を果たしています。この発見は、最近発行されたProceedings of the Royal Society Bという雑誌に掲載されたロイファナ大学リューネブルクとフンボルト大学ベルリン、オーストラリアにあるチャールズ・スタート大学、ディーキン大学の科学者らの共同研究によるものです。この研究は、人間活動による野生動物の捕食者・被食者関係と個体数調整が受ける影響について調査しました。
最上位捕食者は自然界における生態系の調整の中で重要な役割を担っていることはよく知られています。人間が優位である生態系においても、捕食者は特に草食獣の個体数を減らすことで、野生動物の個体数調整おいて重要な役割を果たしているとこの研究は示しています。しかし、人間もこの生態系の中で直接的、また間接的に介入しており重要な役割を担っています。自然界を農業の利用のために変えるだけでなく、狩猟を行うなどして、食生ピラミッドの各段階にいる動物すべての個体数に悪い影響を与えています。
今回の研究では、ルーマニア(トランシルバニア)にかけての人間優占区域にカメラトラップをしかけ、野生動物の個体数を観察しました。ヒグマやオオカミなどの最上位捕食者に加え、アカギツネなどの中サイズの捕食者、シカのような大型草食獣にとっても、この地帯は生息地になっているようです。人間や綱につながれていないイヌもこの生態系では「捕食者」になってしまうのです。
「食生ピラミッドの全段階の野生動物個体数に与える人間活動の影響についての説明は、将来的に人間がこの食生ピラミッドの一部として考える必要性があることを示しています。特に、オオカミのような最上位捕食者は段々と人間優位の生態系に影響されてしまうため、これらの捕食者が同時に存在することと食生ピラミッドの異なる段階における人間の影響について理解していくことが重要です。私たちの研究はこの問題について大きく貢献します。」と、この研究の主著者であるIne Dorresteijn氏は述べました。
最上位捕食者は自然界における生態系の調整の中で重要な役割を担っていることはよく知られています。人間が優位である生態系においても、捕食者は特に草食獣の個体数を減らすことで、野生動物の個体数調整おいて重要な役割を果たしているとこの研究は示しています。しかし、人間もこの生態系の中で直接的、また間接的に介入しており重要な役割を担っています。自然界を農業の利用のために変えるだけでなく、狩猟を行うなどして、食生ピラミッドの各段階にいる動物すべての個体数に悪い影響を与えています。
今回の研究では、ルーマニア(トランシルバニア)にかけての人間優占区域にカメラトラップをしかけ、野生動物の個体数を観察しました。ヒグマやオオカミなどの最上位捕食者に加え、アカギツネなどの中サイズの捕食者、シカのような大型草食獣にとっても、この地帯は生息地になっているようです。人間や綱につながれていないイヌもこの生態系では「捕食者」になってしまうのです。
「食生ピラミッドの全段階の野生動物個体数に与える人間活動の影響についての説明は、将来的に人間がこの食生ピラミッドの一部として考える必要性があることを示しています。特に、オオカミのような最上位捕食者は段々と人間優位の生態系に影響されてしまうため、これらの捕食者が同時に存在することと食生ピラミッドの異なる段階における人間の影響について理解していくことが重要です。私たちの研究はこの問題について大きく貢献します。」と、この研究の主著者であるIne Dorresteijn氏は述べました。
