ジャパンワイルドライフセンター(JWC)とは
NPO法人ジャパンワイルドライフセンター(通称:JWC)は、動物病院と連携し、活動に賛同して下さる方からのご寄付や会費を元に、傷病野生鳥獣のリリースまでの飼養・治療・リハビリ等のサポートや、野生動物に関する情報の啓蒙・普及活動を行っている団体です。
設立の経緯
当団体は、獣医師であり野生動物にも深い関心を寄せた 故 佐草一優(JWC付属のづた動物病院名誉院長)が傷病野生鳥獣の保護を目的として設立しました。
1988年にJWCの前身となる『野生動物調査室』の開設から始まり、1990年にJWCの任意団体を設立、2007年に特定非営利活動(NPO)法人ジャパンワイルドライフセンターとして認定を受け、現在に至ります。
これまでの活動として、世界の野生動物保護団体への具体的な支援、ボランティア活動もできる一般参加の野生動物観察会の主催、日本人のリサーチャーやボランティアの現地派遣、特定の動物保護プロジェクトの推進、国内の傷病野生鳥獣保護、生息地・生息環境保全のための講演やイベント、メディア出演等も行って参りました。
現在は、海外での活動は行っておりませんが、本来の目的であった日本国内の傷病野生鳥獣の救護に重点を置いて活動しております。
世界を見据える為に、まず足元の命から
日本は島国という土地柄、古くから存在する生物に固有種が多く、その多様性と種数は世界でも有数といわれています。しかしその反面、諸外国に比べ野生動物に関する法律が整えきれていないというのが現状です。
また、アフリカゾウやクロサイ、アムールヒョウなど『海外の野生動物が絶滅に瀕している』という認識はあっても、同様の状況に立たされている国内の野生動物に対して、日本人の危機意識は低いように思えます。
都市開発が進む昨今、日本の野生動物は減少の一途を辿っています。このままでは、現在国際自然保護連合(IUCN)で登録されている絶滅危惧種はもちろんのこと、昔話にも出てくるような身近な存在のタヌキやキツネ、キジ、スズメといった動物も、ニホンオオカミやニホンカワウソが絶滅してしまったように、『気が付いた時にはいなくなってしまった』ということになりかねません。
大きな世界を見据える為にも、まず自分たちの足元に目を向けることは大切なのではないでしょうか。
本当の意味での共存を、子供たちに美しい未来を
科学技術が発達した現代だからこそ、 他の生き物も尊重し、“自然を残した形で発展を遂げる”ことは可能であるとJWCは考えています。
また、近年多発している自然災害の中には、不適切な開発による環境の破壊が要因となっているケースもあります。
かつて『炭鉱のカナリア』が人々に危険を教えてくれたように、野生動物やその住まう環境を守ることは、私達の身を守ることにも繋がります。
日本の野生動物の現状をより多くの方に知ってもらうこと。そして、現存する種と美しい日本の環境を少しでも多く次世代の子供たちへと遺し、本当の意味で野生動物との共存を果たすこと。それが、私たちJWCの目標です。