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NPO法人ジャパンワイルドライフセンター(JWC)は野生動物の保護を目的として設立された野生動物保護団体です。

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動物・環境ニュース

2018/10/16
パーム油:オランウータンを保護する努力は失敗に…(インドネシア)
イギリス在住のボランティアさんよりニュースが届きましたのでご紹介します。
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Palm oil;pledges to protect orang-utans have failedーthe industry needs to act
(パーム油;オランウータンを保護する努力は失敗に…その産業界は実践が必要)

 インドネシアに属するボルネオ島の明け方、あるパーム油生産農場の労働者達が、ビーンと呼ばれる20歳のオランウータンの死体を人工水路から引っ張り出していました。後に、労働者たちが近くの国立公園の調査職員を呼び入れた時に、マイクロチップから、ビーンは住んでいた森林からおいやられ、パーム油農場で銃で撃たれそして繰り返しナイフで刺されていたことが判明しました。

 インドネシアではオランウータンを保護する試みが進められています。しかしながら、2018年のある生物学雑誌の調査によると、1999年から2015年の期間で10万頭のボルネオ産のオランウータンは消滅し、その頭数は全頭数の半分以上にのぼります。
 生息地の消失(例えば、伐採による森林破壊やパーム油などのプランテーションなど)は、最も重大な減少要因となっています。
 行き場のないオランウータンたちは、新しい住処を探して、農場主によって殺される危険を冒してもパーム油生産農場へと侵入していくのかもしれません。農場は、いかなる時も自分たちを正当化し、一方、オランウータンはいつもその犠牲になっているということです。農場主は、すべての野生動物を保護しようと努力していると公言するにもかかわらず、ビーンの死が起きてしまったことにどう言い訳をするのでしょうか?

 この伐採と密漁の結果として、世界自然保護連合は、193種の生き物がパーム油による脅威に晒されており、オランウータンは、その中でも、かなり深刻な被害を被っていると警告しています。

 パーム油の需要は年々増している状況の中で、ある運動家たちは、森林破壊の産物であるパーム油の生産を止めるように世界的に有名な会社に抗議しています。現在、447会社がその供給チェーンでの森林破壊を止めることを公的にコメントしました。ネスレ、ユニリーバ、パルモリーブ、ペプシそしてP&Gは2020年の最終期限までに森林破壊を止めることに同意しています。

 しかしながら、NGOによると彼らたちの努力も全く意味をなしていないということです。また、2018年のグリーンピースの報告によると、家庭用衛生製品で有名なブランドのどの会社も、パーム油の生産供給元が森林破壊に関与していないかどうかを把握することができなかったということです。

 グリーンピースの森林保全担当のRichard George氏は、パーム油の大部分はどのパーム油精製工場由来か、ブランド会社は突き留めることができると言っていますが、問題なのは、その前段階にあるパーム油生産供給者がその生産過程で森林破壊に関与しているかは分からないとのことです。

 過去にインドネシアで、NGOと自然保護団体によって、大型パーム油生産元が森林破壊に関与しているということで摘発されました。今年になって、Wilmarという世界的に有名な大型パーム油貿易業者が、森林破壊の終結を確約して5年経た現在、パリ市内の2倍の広さに当たる森林破壊に関与していたことがわかりました。この産業界を改革するために、グリーンピースをはじめとする運動家たちが、大手のブランド会社に対して、供給チェーンの見直しを訴えています。

 Richard George氏は、パーム油の出所がわからない限り森林破壊は続いて行くことであろう。そして、ブランド会社は一貫した方法で、パーム油生産の責任を取ることを今始めなければならない、NGOからの警告を待ってから行動するのではなく。と述べています。

 世界に僅かに残されたオランウータンの運命は、天秤にかけられている状況にあり、またビーンのような結末が繰り返されるであろう。

イギリス在住翻訳ボランティア 折原美子
追補 JWCスタッフ





2018/10/02
南アフリカの孤児ライオン農場は偽物!
イギリス在住のボランティアさんよりニュースが届きましたのでご紹介します。
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Tourists to South Africa warned "orphan lion cub farms are a scam driving big cats to extinction. INDEPENDENT U.K.
(南アフリカへの旅行者に警告”孤児ライオン農場は絶滅を助長する偽農場 英国インディペンデント紙)

 南アフリカの孤児ライオン農場では、旅行者達はライオンとセルフィーを撮ったり、ミルクをあげたり、散歩したりと楽しんでいますが、その裏には、旅行者達は騙されて、儲けのあるトロフィーハンティングやライオンの骨の売買を支持しているにすぎないと言われています。
 旅行者達は、その偽の孤児ライオンアトラクションと関わらないように警告されています。

 ある動物愛護団体は、”旅行者達が訪れる南アフリカの孤児ライオン農場は、アジアへの骨の売買やトロフィーハンティングからの収益によって、ただライオン達を飼育しているにすぎない。”と訴えています。

 また、ある専門家は、これらの農場は、絶滅危惧種を保護して助けるどころか、彼らは小さな檻に入れられ、その頭数は減少傾向にあると言っています。

 実際、南アフリカのライオンは旅行者達との写真スナップのために使われるために、檻の中で生活し、そして、もはや子供ライオンに愛らしさがなくなり、旅行者と一緒に散歩することも危なくなってくると、最後には、トロフィーハンティングとして売られ、あるいは、殺処分して、彼らの骨を偽の薬として売り、南西アジアへと渡って行くとのことです。

 ライオン農場に潜入した調査隊達は、子供のライオンは孤児ではなく、商業的目的で生後1日あるいは生後間もなくの赤ちゃんライオンを、母親から引き離しているにすぎなく、母親ライオンはまた強制的に檻の中で繁殖を続けさせられている状況を観察してきました。

 ヒューメイン ソサイエティ インターナショナルは、檻の中の動物は、しばしば食事、衛生的に恵まれず、または自然な行動能力をも奪われる傾向にあると主張しています。
 ”子供のライオンは決して野生に戻されないし、野生に戻っても生き残れないであろう。”
 ”また、全く無知な旅行者達やボランティアの人たちは、多額のお金を落とし、野生保護に協力していると信じ、まさか動物を虐待する産業へと、そして、ライオンの絶滅への架け橋になっているとは想像にも及ばないであろう。”

 南アフリカには、野生ライオンは3千頭にも満たなく、監護のもとでおよそ8千頭のライオンが約260箇所のライオン農場で飼育されています。
 去年は、1千600百万人の旅行者が訪れ、その数は増加傾向にあり、皮肉にも、ライオン農場の人気とその陰にあるトロフィーハンティングに拍車をかけるようです。

イギリス在住翻訳ボランティア 折原美子
追補 JWCスタッフ

2018/09/21
猫にマイクロチップを。さもなければ淘汰の危険あり!
イギリス在住のボランティアさんよりニュースが届きましたのでご紹介します。
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”Chip your cat or risk it being culled to save New Zealand birds”THE TIMES


 ニュージーランドのオークランド市では、野生動物を保護するために、野生保護管理区域内でマイクロチップが付けられていない猫が捕獲された場合には淘汰されてしまう!という計画が進められています。

 オークランド市の動物愛護の人たちは、3月にその計画が実施されると、何千匹もの猫たちがその危険性に脅かされる事であろうと述べています。150万人が住むこの市には、生態的に重要な地域が5つありますが、その対象地域はその1箇所で、その地域に住んでいる猫が対象で、マイクロチップが付けられていない猫は、有害動物とみなされ、淘汰を免れないことになるとのことです。

 実際のところ、ニュージーランドでは、猫にマイクロチップを義務付けてはいないそうです。
 オークランド市としては、野生動物を保護するために、特に飛べない野生鳥、例えばキーウィの保護を呼びかけています。なぜなら、猫たちによって、これまでに少なくても9種類ものニュージーランドの原住鳥は、地域的なあるいは全国的な規模で絶滅への影響を被っているからです。
 市で働く人々は、熱狂的な動物愛護の人によって、死の脅迫を受けています。一方で、猫を愛玩する人達は、狼狽し、心配を隠せない様子です。
 
ニュージーランド猫ファウンデーションの会長のAnne Batley-Burton氏は、猫たちも、人間同様一切衆生(生きとし生けるもの)であり、彼らの生命を軽く受け取ってはならないと訴えています。
 
また、動物虐待防止協会は、この3月の最終期限 は、マイクロチップを強いられる飼い主には短すぎると断言しています。

イギリス在住翻訳ボランティア 折原美子
追補 JWCスタッフ


2018/09/14
伐採による生息域の破壊で2050年にはコアラの絶滅が懸念される!
イギリス在住のボランティアさんよりニュースが届きましたのでご紹介します。
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Koalas 'to be extinct by 2050' as farmers destroy awathes of forest. "THE TIMES"

コアラは旅行者に愛され、世界的著名人に抱かれるやら、そして、写真でセルフィーポーズを決めたい芸能人に撫でられ、とても人気者です。
 しかしながら、長期間のコアラの生存展望に関する報告によると、その生存はあまり長くないだろうと...
この背景にあるのは、オーストラリア北部のニューサウスウェールズでのコアラの生息域の破壊によると言われています。
 動物愛護の人々は、もしこの状況が続けば、2050年までにコアラはオーストラリアから絶滅すると信じています。
 オーストラリア政府は、去年、原生林の法律を廃止しました。その原生林法とは、農場主が伐採を禁ずる法律で、
その土地の所有者はその法律は厳格すぎて、農家の生活を苦しめるだけだと主張してきました。
 その法律が廃止されてから、更地化された土地は、3倍にも及びました。自然保護協会は、12,000エーカーの森林が失われたと訴えています。
 自然保護生物学者のMartin Taylor氏は、もしこの更地化が現在の割合で続くと、コアラにとっての影響は非常に深刻なものになるだろうと。
 オーストラリアのWWFのStuart Blanch氏は、”ニューサウスウェールズでは、全滅の危機に向かっている。全ては、森林にかかっている。もし健康な森林であれば、野生動物たちの十分な水分供給として、地面まで伐採する必要はない。”と述べています。
 コアラが食べるユーカリの葉には、55%の水分が含まれていると言われています。
 ある統計によると、コアラの総頭数は100,000頭とも、あるいは40,000頭あまりとも言われています。
 ビクトリア女王時代(1819−1901)には、南オーストラリアの海岸沖にあるカンガルー島には、コアラの生息頭数が多大だったので、生息を維持するのに困難をきたしていました。
 しかしながら、今は、クイーンズランドとニューサウスウェールズの一部において、コアラは危急種として分類されおり、コアラの生息地域の消失、都市化の拡大そして、病気と、さらなる恐怖を彼らに投げかけています。
 ニューサウスウェールズ政府は、そのコアラの絶滅を主張している自然保護者たちを批判しながらも、その長期化したコアラの生息維持に2千万ポンド(60億円)の援助を公約しています。そして、国の最も愛されるシンボルになるようにと。
 しかしながら、観光産業に何十億ポンドをもたらすその動物にとっては、この金額は支払われるには少なすぎるかもしれません。

イギリス在住翻訳ボランティア 折原美子
追補 JWCスタッフ

2018/07/06
かつての楽園に帰ってきたアフリカ野生犬(リカオン)
イギリス在住のボランティアさんよりニュースが届きましたのでご紹介します。
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"Wild dogs are returned to lost Eden" The Times

 モザンビークでは、過去の内戦で、アフリカ野生犬(リカオン)が全滅にまで至った背景があり、今回、彼らを再び取り戻そうという試みで、モザンビークに、何頭かのリカオンを導入しました。
 その動きは、アメリカの慈善家のGregg Carr氏によって援助された45億円プロジェクトの一部で、彼は、アフリカの失われた楽園として知られるモザンビークにあるゴロゴーザ国立公園をかつての栄光へと再建したいと願っています。

 モザンビークはかつて、動物の宝庫でしたが、ポルトガルの植民地からの独立戦争が続き1975年に独立はしたものの、100万人もの市民は殺され、野生環境は消滅してしまったそうです。リカオンは絶滅し、キリンやゾウの生息頭数は9割まで減少しました。
 1992年のローマ和平協定以降でも、モザンビークは野生環境を保護するのに苦闘しています。残念ながら、2013年には、国で最後に残ったサイが密猟によって殺されました。
 自然保護関係者たちは、有名人を魅惑させていたあの1960年代、70年代の全盛期に、ゴロンゴーザ国立公園を復活させることに希望を抱いています。
 
 8頭のオスと6頭のメスが、南アフリカから飛行機で輸送されました。広大な国立公園に離す前に、環境に慣らさせる為に何日間か檻の中で飼育されました。
 このプロジェクトは、早い時点で良い成果が得られたというのは、1頭のメス犬は妊娠中のようで、出産場所を探していました。
 他の野生動物も戻ってきており、サイやワニたちが目撃されています。2016年の調査で約60頭のライオンが認められ、2、3年前と比べると2倍に生息頭数が増えています。最近の空撮調査では、500頭あまりのゾウが生息されていることがわかりました。

 特徴のある大きな耳を持つ黄褐色がかったリカオンの再導入は、しかしながら簡単なことではなく、その肉食動物たちが不安定な生態系を乱すかもしれないし、家畜を襲って農家(人間)と衝突するかもしれない危険性を持っているからです。
 
 ただ、実際のところ、リカオンはアフリカ大陸の最も絶滅危惧された肉食動物の中の1つに挙げられ、野生において5000頭にも満たない状況にあります。

イギリス在住翻訳ボランティア 折原美子
追補 JWCスタッフ

2018/05/30
アフリカゾウの母、永遠に
訃報
去る4月12日、JWCでご紹介している絵本『エレナとダフニ』、訳本『愛のアフリカゾウ~エレナ』の原作者でもあるダフニ・シェルドリック女史がこの世を去りました。


ダフニ女史はアフリカの団体、デビット・シェルドリック・ワイルドライフ・トラストで、主に密猟により親を失って保護された幼い動物たちを受け入れ、自立できるまで育て野生に返していく、という活動を行っており、先に亡くなった当団体の創設者 佐草一優も長きにわたり親交を頂いた中、著書の和訳も務めさせていただきました。

JWCでは、彼女の大いなる功績を讃え、謹んでご冥福をお祈りするとともに、その志を深く心に刻んでいきたいと思います。

※書籍をご希望の方はJWCまでお問い合わせください。




2018/04/27
オーストラリアへの航空輸送の提供はサイの将来の希望へと導く
イギリス在住のボランティアさんよりニュースが届きましたのでご紹介します。
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”Airlift to Australia offers hope for rhinos" The Times

 絶滅危機にあるアフリカサイを救うための野心的な計画が進められ、およそ40の絶滅の危機にさらされた動物がその対象で、オーストラリアへと飛行機で輸送されるとのことです。
 ”Wild Africa"と呼ばれる新しい住処は、オーストラリアのアデレードから車で約1時間の場所にあります。
ここは’the Austarian Rhino Project”という動物の保護と繁殖を支援する団体が、サイが安心して生息できて、なおかつ繁殖がしやすいようにと、3年もの歳月をかけて120エーカーの敷地を南アフリカにある " the Kruger National Park “ を参考にして、サバンナ、密林地帯そして水辺地帯を作り上げました。
現在は寄付によって成り立っていますが、将来的にはサファリパークのように人々に開放するように検討中です。

 来年に、まず何頭かのサイが1万km離れた南オーストラリアへ運ばれます。
しかしながら、その計画は、いろいろな批判を受けています。例えば、アフリカの権力を弱めているのにすぎないとか、植民地時代からのアフリカの資産(野生動物など)を剥奪しているなどという批判を浴びせられています。

しかしその一方で、プロジェクトマネジャーのSarah Dennis氏は、『アフリカの保護環境が改善されれば、我々の計画としてはそのサイたちは母国に送還されるし、それまでの期間、オーストラリアはサイたちにとっての安定した場所を提供したい』と訴えています。さらに、この場所は、彼らの生息場所と似たような気候環境を満たし、獣医師の技術、そして安全性を兼ね備えているということです。

実際の所、南アフリカの保護団体たちは、現地の保護監視員、獣医師、警察官、政府そして住民との間での衝突と不正が存在する中で、それらの事柄がアフリカでの野生動物の安定した生息場所を作り上げるのを邪魔していると嘆いています。

イギリス在住翻訳ボランティア 折原美子
追補 JWCスタッフ


2018/02/07
香港は歴史的な投票での象牙貿易を廃止する
イギリス在住のボランティアさんより象牙に関するニュースが届きましたのでご紹介します。
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”Hong Kong bans ivory trade in historic vote”

香港では、象牙貿易の廃止するための議案が圧倒的に可決されました。この動きを見て、ある動物保護団体のWander氏はこの多大な象牙マーケットを廃止することは、象達のライフラインをもたらすとことであるとたたえています。

本土の中国では同じような廃止がすでに去年から実施されているところです。
香港では、150年前以上から特に象牙の貿易が行われており、9割近い象牙は本土の中国から流入されています。 
去年7月には、香港政府は世界的な記録のおよそ7.2トンの象牙を押収しました。

その廃止の主な内容は、次第に貿易の縮小へそして完全廃止への流れの中で、3段階のステージを踏んでおり、
 最初に;1975年以降の象牙、象牙製品の売買の廃止
 次に; 1975年以前の象牙、象牙製品の売買も追加して廃止
 最後に;2021年までに全ての象牙、象牙製品の完全廃止

密輸に於ける刑罰もかなり厳しくなってきており、新しい法律のもとで、現行の2倍のHK10億ドル(1億4千万円)の罰金、
あるい現行2年から10年の懲役が課せられることになります。
そして、その廃止が適切に実施されるかどうかは、政府の関係機関次第であるということです。



2017/12/18
魚の乱獲と気候変動でウミドリが絶滅の危機へ
ウミドリの象徴としてイギリスで親しまれているミツユビカモメやカツオドリがIUCNのレッドリストに追加されたという発表がありました。主に魚の乱獲や気候変動による食料不足が原因になっているという研究結果が発表されました。

研究を行ったバードライフ・インターナショナルのイアン・バーフィールド博士は、これらの鳥への脅威は、より広範な環境問題にあると指摘しました。鳥はよく研究されているため、地球上の環境状態を知るための指標となっており、 絶滅の危機にさらされている種については、今すぐに対策を考える必要があると警報を鳴らします。

太平洋と北大西洋での魚の乱獲や気候変動によって ミツユビカモメが繁殖期に食べるイカナゴが減ってしまいました。

このことがヒナの生存率に大きく影響し、2000年以降、オークニー諸島とシェトランド諸島では87%、ヘブリディーン島のセント・キルダでは96%も減少してしまい、「悲惨なヒナの生存率」をもたらしていると言われています。

世界的にみて、この種は1970年代から約40%減少したと考えられ、IUCNレッドリストの「軽度懸念」カテゴリーからの「絶滅危惧II類」カテゴリーへと移行しました。

他にも減少している種がある中で、この研究はいくつかの肯定的な傾向も見出しました。 ダルメシアンペリカンは、人工の巣などの導入により、ヨーロッパでその数が増加し、 ニュージーランドでは、2種のキウイが保護や卵の育成コントロールプログラムにより、数を増やしました。

バーフィールド博士は次のように述べています。「ありがたいことにキウイとペリカンの保全が成功したことは、きちんとしたサポートにより、保全努力が実際に効果を上げることができる事を示しています。」


Photo by JWC:カツオドリ


2017/11/07
縮れ毛が特徴 新種のオランウータン 
インドネシアの北スマトラ州のタパヌリの密林に生息するオランウータンがDNA鑑定の結果、新種であることが分かりました。

オランウータンはスマトラ島北部に生息するスマトラオランウータンとマレーシア、ブルネイ、インドネシアが国境を接するカリマンタン島(マレーシア名ボルネオ島)のボルネオオランウータンの2種とされていました。

この新種は20年前から生息が確認されていましたが、2013年に発見された死んだオランウータンのオスの成体の調査とともに、別の場所で捕獲された2頭分のDNA(遺伝子)を国際研究チームが比較検討した結果、11月2日に発表された研究成果により新種だと分かりました。

新種はタパヌリの密林に生息することから「タパヌリオランウータン」と命名され、その特徴は頭蓋骨が小さく、発達した犬歯があり、黄色がかった茶色いシナモン色の縮れ毛が特徴で、オスには長い口ひげ、メスにはあごひげがあります。

大型類人猿の新種発見としては1929年にアフリカでボノボが確認されて以来88年ぶりになるため、とても明るいニュースとなりましたが、生息数は800頭以下とみられるため、研究チームは最も絶滅に瀕している大型類人猿として保護を求めています。

Photo by Maxime Aliaga



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