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| 動物・環境ニュース2010/07/13 原油流出事故による野生動物への被害 今年4月にアメリカ合衆国ルイジアナ州のメキシコ湾沖で起こった大量の原油流出事故を受け、インターナショナルバードレスキューリサーチセンター(IBRRC)は、オイルを被った野生動物の救助活動を行っている団体Tri-State Bird Rescueと共に、特に被害を受けているルイジアナ、アラバマ、フロリダの3州にリハビリセンターを設置し、スタッフを配属してオイルを被ってしまった海鳥の救助活動を行っています。現在、40名を越える対策チームメンバーが、この原油流出事故の活動を行っています。 7月5日現在のレポートによると、およそ1000匹のペリカンやカモメ、サギなどの鳥類やカメ、哺乳類が保護され、その他2000匹近くが死骸で収容されたことが報告されています。(オイルが直接的な死因か判明していないものも含む) しかし、救助活動は続いており約400匹の鳥と3匹のカメがリリースに成功しているとのことです。 (c)インターナショナルバードレスキューリサーチセンター http://www.ibrrc.org/ ルイジアナ州のリハビリセンターで、オイルまみれになったカッショクペリカンを洗浄しているところ 2010/05/25 ワニと住民の水を巡る摩擦問題 ケニア、タナ川周辺にて、ワニの襲撃による被害者が急増しており、今年は早くも6人が殺されケガ人もでていると言われています。これら被害者に女性が多いのは、女性の仕事である水汲みや洋服を洗うために毎日川へ行くからです。 4月5日の朝、一人の女性が、水汲みのために村の川岸に行ったところ、大きなワニによっていきなり川の底に引きずりこまれ、食べられてしまいました。それにより、生後6ヶ月の赤ちゃんを含む3人の子供が孤児になってしまいました。 また、同じ村で2週間前にも5人の子供をもつ女性が被害に遭っています。 彼女は、娘の一人と共に川へ水汲みに行き、浅瀬に歩いて入り容器に水を入れて岸に持って上がり、別の容器を洗おうと水に戻った瞬間、ワニの攻撃に遭いました。跡形もなく消えてしまったので、遺体は埋葬のために回収されることはありませんでした。 これらの問題は、川へ水汲みに行かなくてもいいように掘られた井戸が壊れ、修理されていないことにあります。 “私たちのために井戸を修復してほしい、ワニは我々人間を食べつくしてしまう“と奥さんを亡くした村の男性は嘆願しています。 また、村人たちは、KWS(ケニア・ワイルドライフ・サービス)にも介入してほしいと思っています。タナデルタのワールドビジョンディザスターリスクリダクション役員のAnnette Ng’ethe氏はワニがはびこるエリアを選定し、住民に知らせてほしいとKWSに要請していています。Garsen地区の役員Alex Kiogora氏は、多くのワニの攻撃は自然であり、貴重なワニの卵を取りに、時々村人が繁殖地に入り込むことによって、ワニを怒らせているとも言っています。 2010/05/23 Daily Nationより 2010/05/14 サイの保護対策 近年、KWS(ケニアワイルドライフサービス)は、野生動物保護区の密猟増加を受けて、絶滅の危機に瀕しているサイの保護対策を強化しています。 そのためKWSは、サイを密猟者から守るために巨額の資金を導入しており、サイの楽園であるナクル湖国立公園では、予算以上の資金が保護のために費やされています。サイの保護のためだけに一ヶ月当たり約83万円かかり、また公園の全体的な監視にも36万円の費用がかかっているそうです。つまり公園では一ヶ月当たり合計120万円近くを密猟者対策のためにかけていることになります。 ケニア国内最大のサイのサンクチュアリであるナクル湖国立公園は、村人たちの定住地に囲まれており、公園内に進入しやすいので、密猟者たちが簡単に富を得ることができる場所として標的になってしまっています。 "アジアでは、サイの角には精力的な効果があると信じられており密猟が絶えません。それらは主に、中国や日本に輸出され、高額で取引されているのです"と、ナクル湖国立公園の副ワーデンは言います。 密猟者は、角1kg当たり、だいたい60万円で売り、それを輸出窓口の中間業者は120万円で取引します。価格は、乾燥させ粉に引いて精力剤としてアジアの国々にたどり着く頃には3倍以上になります。角1本は約7キロなので密猟者にとって420万円の価値があります。しかし、現在、反則者には、最長5年の刑期か2万4千円〜6万円のわずかな罰金しか科せられないので、密猟者は後を絶たないのです。今年3月下旬にも、ナクル湖国立公園でサイの密猟を企み、毒矢やスパイクの付いた罠などを所持していた6人の密猟者が逮捕されました。 新しい法案では、密猟者たちに対し、より厳重な罰則を検討しているそうですが、密猟を止めるためには、日本における啓蒙活動も重要となります。JWCでは、教育関連施設からの講演依頼も随時受付けております。ご希望の方はJWC事務局にご連絡くださいませ。 2010/05/13 Daily Nationより 写真:ナクル湖国立公園のサイ(C)JWC 2010/04/20 ウンピョウの夜間訓練 インドで3つの野生動物保護団体(BTC、IFAW、WTI)が協力して、飼育下で育てられた2匹のウンピョウの夜の野生環境に慣れるためのリハビリが行われています。 WTIワイルドレスキュープログラムのアシスタントマネージャーを務めるDr.Bhaskar Choudhury氏によれば、おそらくウンピョウの赤ちゃんが人工保育され、インドの野生環境でリハビリが行われるのは初めての取り組みだとのです。 昨年9月からリリースサイトに移り、初めのうちは野生環境に慣れるため毎日歩かせ、夜はリリースサイト内に設置された広い囲いの中で過ごしながら、日に日に行動範囲を広げてきました。野生環境で歩き回ることは、環境に慣れるだけでなく、最終的に野生の中で自力で生き抜くために捕食者としての本能を磨いていくチャンスを提供してくれているのです。今年2月中旬からは、夜間の野生環境でも訓練を始めています。初めは飼育員が近くで付き添いながら夜の森を歩いていましたが、今は立派に成長し、以前より飼育員に頼ることはなくなってきました。 彼らが巣立つ時には追跡用のラジオカラーをつける計画があり、そのカラーに慣れるよう、今はナイロン製の首輪がつけられています。「子ども達はどんどん野生の本能が目覚めています。初めて野生環境に移ってから、彼らの行動は変ってきています。木を登ったり、小型哺乳類を捕食したというはっきりとした証拠になる毛が、彼らの糞の中に含まれているのを見つけました。」と2匹の行動観察を担当している生物学者のKrishnendu Basak氏は話しています。 ウンピョウは夜行性や広範囲で行動するため、とりわけ調査の少ない分野で、報告によれば野生にはわずか10000頭しか残っていません。この2匹の野生復帰が、今後のウンピョウ保護につながっていくことを願っています。 ■写真 上:夜の環境に慣れさせているウンピョウ 中:ナイロン製の首輪をつけているウンピョウ 下:獲物をもって木に登っているところ (C)Dr Panjit Basumatary/WTI ![]() 2010/04/13 スティーブ・モーベル氏、個展開催 「JWCワイルドライフ・ファインアート展2009」に参加してくれたオーストラリア出身の画家スティーブ・モーベル氏が、10年振りに故郷オーストラリアのBallarat(バララット)で個展を開催することが決まりました。 この個展は、湖(Lake Wendouree)を見渡すレストランで5月8、9日の2日間で開催されます。近年はアフリカや中国など異国の地を訪れ、野生動物たちを観察しながら新たな作品の制作に取り組んだり、国際的なショーや保護プロジェクトに焦点を当て活動していました。その集大成を故郷で披露できるとあって、モーベル氏も「この個展は私にとって特別な思い入れがあります」と話しています。 会場では作品を購入することも可能で、イベント初日にはディナーを囲みながら、彼のアフリカでの体験談が語られ、作品をより深く堪能できる企画となっているそうです。 オーストラリアに滞在されている方は是非この機会に、素晴らしい野生動物の世界に足をお運びください! 2010/03/11 キリンのGPS調査 アフリカのキリン保護に役立つ情報を収集するため、今回初めて、キリンに衛星追跡のカラーをつけるプロジェクトが行われています。イギリスのGiraffe Conservation Foundation(http://www.giraffeconservation.org/)が約330万円の資金提供をしたプロジェクトでは、2月中旬にニジェールのキリン8頭にカラーがつけられました。カラーをつける際には麻酔をかけますが、30分以上心拍数の下がった状態でいると頭に十分な血液が回らなくなり、キリンは死んでしまいます。今回はカラーをつけるために、7人のリサーチャーチームでキリンを押さえ、頭に布をかぶせて目隠しをしてカラーをつけました。 アフリカには9亜種のキリンが生息しており、それぞれの模様で識別します。ニジェールのキリンは大きなオレンジがかった茶色の斑点模様で、脚の模様は薄く白くなっています。ニジェールの首都ニアメーの東部に多く生息しており、クレ地方(Koure)からニジェール川のドッソ(Dosso)保護区のエリアで草を求めて行き来しています。最近ではマリの国境など、今まで目撃されていなかった地域にも姿を現しています。 また西アフリカではナイジェリアキリンの保護が成功しています。1990年代後半には50頭だった個体数が今日は200頭にまで回復しています。しかし、個体数が増えたことで食糧を求めて遠方まで行き来する個体が現れ、キリン同士の競争を引き起こすことになりました。 このようにキリン同士の生存競争のほか、密猟の問題や、地元住民の違法伐採が主な原因となる干ばつや生息地の減少という様々な問題が起こっています。このような問題からキリンを保護するために、今まで手付かずだったキリンの生態調査を深めていくことで、キリン保護の発展が期待されています。 写真:衛生追跡の発信機がついたキリン柄のバンドを首に取り付けられたキリン These photos taken by GCF. (c)JP Suraud_GCF ![]() 2010/02/16 セレンゲティでリカオン 2月5日、タンザニアのセレンゲティ国立公園で、約7頭のリカオンが目撃されました。 最近ではセレンゲティ周辺や、ケニアのマサイマラで稀に目撃されたりもしているようですが、この地域では20年以上、リカオンが目撃されていなかったので、絶滅したとまで考えられていました。 リカオンは現在、2000頭ほどがボツワナ北部からジンバブエ東部の保護区、南アフリカのクルーガー国立公園、タンザニア南部のセルー、ルアハ国立公園に生息しているのみで、絶滅の危機に瀕しています。人間の居住地域の拡大による生息地の破壊、害獣としての駆除、家畜やイヌからの伝染病(狂犬病、ジステンパー)など様々な原因により生息数は減少しています。 (C) Uwe Skrzypczak http://www.serengeti-wildlife.com/index.php ![]() 2010/02/12 飢餓に苦しむライオンに救いの手 昨年ケニアに長い長い乾季が訪れ、膨大な数の草食動物が飢えて死んでしまいました。そのためライオンやハイエナのような肉食動物も獲物を捕らえることができず、国立公園の近くで飼われている家畜を襲うようになってしまったのです。地域の住民は家畜の殆どを干ばつと肉食動物による捕食で失い、生活に困っています。 この問題を受けKWSは、4000匹のシマウマと3000匹のヌーを周辺の保護区で捕獲し、問題になっているアンボセリ(ソイサンブ から300kmほど離れた国立公園)へと運ぶことにしました。草食動物を運び込むことで肉食動物の獲物の数を増やし、肉食動物が家畜を襲わないですむようにするのです。移送するにあたり、レンジャーたちは明け方からヘリコプターに乗り込み、シマウマの群れをキャンバス地で作ったV字型の大きな囲いへと追い込みました。囲いの奥は狭くなり檻につながっていて、そこからトラックに積んで運んでいくのです。この計画は今年の2月28日まで行われ、約1億2千万円(1億3 百万ケニアシリング)の費用がかかるそうです。 「これはアンボセリの問題を短時間で解決できるだけでなく、草食動物と肉食動物のバランスを修復するいい方法なのです。」とKWSのポール・ウドト氏は言います。野生動物はケニアの魅力の一つであり、KWSはそれを守るために日々活動を続けています。 2010/01/19 タンザニアの象牙取引 1月22日からブリュッセルで、ケニアとルワンダが議長を務める協議が行われます。CITES(ワシントン条約)や東アフリカ協定に背くようなタンザニアの象牙取引や、ウガンダの野生動物保護に対する曖昧な態度が議論されます。 タンザニアとザンビアは昨年11月17日にCITESの議会(COP15)に対し、「アフリカゾウが絶滅危惧T種からU種に回復させる」というプロポーザルを提出しました。T種に指定されている場合、トレードは特別な場合にしか認められませんが、U種に指定されている場合その規制が緩和されるのです。タンザニアはこのプロポーザルで、身元の分からない象牙や、CITESにより警戒されている日本や中国との取引を除いた、政府公認の90トンの象牙取引を認めるよう求めています。 ゾウ保護に力を入れようとしているケニア、ルワンダ、コンゴ、ガーナ、リベリア、マリ、シエラレオネなどの国は、ボツワナ、ジンバブエ、ナミビア、南アフリカが行う象牙取引に反対しています。象牙取引の規制が厳しくなる中、タンザニアとザンビアが取引を行う相手国は、2007年に108トンもの象牙取引を行った日本と中国です。 以前タンザニアのプロジェクトでは、ゾウの個体数が55000頭(1989年)から136753頭(2006年)にまで回復しました。しかしこれによって、世界中の象牙取引に拍車がかかってしまったとKWSのパトリック・オモンディ氏は指摘しています。 ケニアでは年々密猟が増加しており、2007年には47頭、08年は145頭、09年は220頭のゾウが犠牲となりました。それでも優れた通信網や24時間体制のレンジャーたちのおかげで、35000頭のゾウが生息しています。最多の個体数はボツワナの110000頭。ついでジンバブエ105000頭、タンザニア91000頭、ケニアの35000頭となっています。一方、リベリア、コンゴ、チャドでは50頭以下、セネガルでは10頭以下にまで減っています。 現状として、ケニアとタンザニアはゾウが行き来する3つの国立公園を共有していますが、両国のゾウを識別する方法がなく、ケニアのゾウがタンザニアで密猟にあっている可能性もあります。そこで現在ケニアでは、国内のゾウに識別用のカラーをつける計画が進められています。 2009/11/11 カルボフラン使用禁止へ [動物・環境ニュース]でもお伝えしてきましたが、ケニアではライオンなどの野生動物に家畜を襲われた飼い主が、その報復にフラダンR(農薬)を家畜の死骸に塗り、野生動物を毒殺するという事件が起きています。また一方で、先月末、カルボフランを摂取したことで3歳の子どもが犠牲となってしまいました。亡くなった子どもの父親は、購入時にカルボフランの危険性や、摂取してしまった場合の応急処置法の説明を受けておらず、容器にも毒物を示すマークの表示がなかったのです。 そして10月30日、このフラダンRの成分であるカルボフランが年内中に使用禁止になると、アメリカのEPA(Environmental Protection Agency)が発表しました。これまでカルボフランは残留農薬の基準に従っての使用が認められていましたが、2006年にEPAが食物・農業・生態学の見地からカルボフランの使用について検証し、その効果よりもリスクの方が大きいという結果がでたため、使用を禁止する動きが始まりました。そして今回、その基準を廃止し、使用を禁止することが決まったのです。この動きはEUで近年カルボフランが使用禁止になった前例に習っているものです。 使用禁止にあたって有効な代替薬品を探すため2010年まで4年間の猶予期間を設けていましたが、その2010年までに全面禁止を達成する予定です。現在カルボフランの代理店では、農家に対しカルボフランが年内で使用できなくなることを伝えるとともに、より安全な農薬や環境を考慮した農薬を使うようアドバイスを始めているそうです。
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